コンビニの値引き販売は一長一短

積極的な仕入れを推奨してきた本部

セブン―イレブン・ジャパンは消費期限が迫っている商品を購入すると電子マネー「nanaco(ナナコ)」にポイントを還元する方針を打ち出した。廃棄ロスの削減に向け商品の製造やパッケージ方法の変更で消費期限を延ばす長鮮度化に取り組んできたが、新たな選択肢が加わる形。ローソンも同じような値引き販売の手法を取り入れる。しかし、このポイント還元は効果が期待できる点と疑問が1点ずつ潜んでいる。

 「棚に並んでいる商品が少ないと消費者は売れ残りではないかと購入を敬遠してしまう」。前セブン&アイ・ホールディングス会長で現名誉顧問の鈴木敏文氏が話していた言葉だ。だからセブン本部では加盟店には多めに発注するように呼びかけ、棚に豊富に商品が並んでいるようにしており、それが奏功し日販アップにつなげてきた。

 今回のナナコへのポイント還元では、加盟店も廃棄ロスを恐れ発注自体に慎重になっていたところを緩和できる効果も期待され、しかも値引きがモチベーションになり、販売促進にもなるとみられる。

 しかし、疑問は値引き幅が5%であること。この商品は10%、この商品は20%と時間の経過とともに値引きする食品スーパーなどに比べ競争力があるかどうかという点。コンビニの場合、フランチャイズ契約であり、加盟店それぞれが事業主。業務が煩雑になる恐れもあり柔軟にはできない。それもAI(人工知能)やデジタルで解決できるという指摘もありそうだが、まだ廃棄ロス削減の抜本解決には時間がかかりそうだ。

セブン―イレブンは廃棄ロス削減に消費期限自体を長くする長鮮度化にも取り組んでいる